射出成形品で不具合が見つかったら何を伝える?原因分析を早める情報の揃え方
府中プラでは、不具合を出さないことを第一に、日頃から品質のつくり込みに取り組んでいます。それでも万一、不具合が見つかった場合には、速やかに原因を分析し、再発を防ぐための対策を講じます。その原因分析を早く、確実に進めるうえで欠かせないのが、不具合を見つけたお客様からいただく情報です。
ヒケやバリ、ショートショットといった成形不良が、なぜ起き、どう対策するかについては、成形不良カテゴリの各記事で解説しています。本コラムでは技術的な原因と対策には踏み込まず、受入検査や組立工程で不具合が見つかったときに、成形側へどのような情報をお伝えいただくと解決が早まるのかに絞ってご説明します。
最初の情報が、不具合解決までの早さを左右する
成形品の不具合の主な原因は、金型、成形条件、材料、そして包装や輸送のいずれかにあります。成形側は、いただいた情報と現物をもとに、どこに原因があるかを切り分けていきます。
最初の段階で必要な情報が揃っていれば、成形側はすぐに調べるべき箇所を絞り込めます。確認のためのやり取りも少なくて済み、原因の特定から対策までを短い期間で進められます。不具合の範囲を早く特定できれば、選別や回収の対象も最小限にとどめられます。
不具合発生時にお知らせいただきたい情報
最初のご連絡の際に、次の情報をお知らせいただけると、原因の切り分けをすぐに始められます。
何が起きたか。不具合の現象と、製品のどの部位に出ているかです。写真や動画があると、状況を正確に把握できます。
どれだけ起きたか。何個を検査して、そのうち何個が不良だったかです。発生の割合から、偶発的な不良か、継続的に出ている不良かの見当がつきます。
いつ、どこで見つかったか。受入検査、組立工程、市場からの返品など、見つかった段階によって、疑うべき原因の範囲が変わります。
どの製品か。包装のラベルに記載されたロットと成形日、製品に表示されたキャビティ番号です。製品にデイトマーク(日付の刻印)がある場合は、その表示もあわせてお知らせください。成形した時期を絞り込む手がかりになります。
何を基準に不良と判断したか。図面の寸法か、限度見本との比較か、寸法であれば、いつ、どのような条件で測定したかです。判定の基準を共有することで、双方の認識を揃えられます。
どれだけ急ぐか。組立工程や出荷への影響をお知らせいただければ、成形側も対応の優先度を判断できます。
不良品の現物は良品と一緒に、そのままの状態で
現物をお送りいただく場合は、次の点をお願いしています。
不良品に加えて、同じロットの良品もあわせてお送りください。並べて比べることで、どこがどう違うのかが明確になります。
届いたときの包装の状態が分かるよう、包装のまま、または開梱時の写真を添えてお送りください。包装や輸送の段階で生じた不具合かどうかを判断できます。
すでに測定されている場合は、測定データと測定の方法や条件もあわせてお知らせください。
また、不良品はそのままの状態でお送りください。拭く、磨くといった処置をすると、原因を示す痕跡が消えてしまうことがあります。
写真の撮り方と連絡窓口で、情報を正確に伝える
ご連絡の際に、次のような工夫を加えていただくと、情報がより正確に伝わります。
写真には、定規などの大きさの目安や、比較のための良品を一緒に写していただくと、不具合の程度が一目で分かります。
不具合の範囲は、ロットや成形日、キャビティ番号など、該当する製品を特定できる形でお知らせいただくと、選別の対象を絞り込めます。
ご連絡の窓口を一つにまとめていただくと、情報が整理された状態で伝わり、成形側からの回答も一か所に集約できます。
成形側からの回答で確認すること
成側から回答があった際は、次の点をご確認ください。
まず、暫定対策と恒久対策が分けて示されているかです。暫定対策は、在庫や仕掛品の選別など、当面の流出を止めるための処置です。恒久対策は、原因を取り除き、再発を防ぐための処置です。
次に、なぜ不具合が発生したのかと、なぜ検査で見つけられずに流出したのかの両面から、原因が説明されているかです。両方に対策が打たれていることが、再発防止の条件になります。
そして、対策後の最初のロットがどのように識別されるかです。対策前の製品と区別できることで、対策の効果を確かめられます。
不具合発生時の連絡チェックリスト
・不具合の現象と部位を、写真や動画で伝えているか
・検査数と不良数を伝えているか
・ロット、成形日、キャビティ番号、デイトマークを確認しているか
・不良と判断した基準と、測定の条件を伝えているか
・同じロットの良品を一緒に送っているか
・不良品をそのままの状態で送っているか
・回答で、発生原因と流出原因の両方が説明されているか
まとめ
府中プラでは、お客様に安心してお使いいただける製品をお届けできるよう、不具合を未然に防ぐ取り組みを日々重ねています。それでも万一、不具合が発生してしまった場合には、誠意をもって速やかに原因を分析し、暫定対策と恒久対策、発生と流出の両面から、再発を防ぐための対策を講じます。
その際、現象と部位、発生の割合、見つかった段階、ロットやキャビティ番号、判定の基準をお知らせいただき、現物を良品とあわせてそのままの状態でお送りいただけると、原因の特定から対策までを、より早く進めることができます。

