課題解決事例

LCP(液晶ポリマー)への材質変更による「観音扉用ヒンジ部品」の高精度化と長寿命化

Before

約10mm四方の観音扉用ヒンジに組み込まれるロック機構部品で、精密かつ滑らかな動作が求められていました。しかし、従来の汎用樹脂では薄肉成形時に十分な強度や寸法精度を確保できず、反りやクラックによる歩留まりの低下が課題でした。

特に、わずかな寸法ズレが動作不良に直結するため設計の自由度が制限され、繰り返し使用による摩耗や劣化が進行し、長期的な信頼性の確保も困難な状況でした。

After

ガラス繊維を30%配合したLCP(液晶ポリマー)GF30材への材質変更をご提案しました。LCPは、薄肉でも高い強度と寸法安定性を維持でき、優れた耐熱性・耐久性・自己潤滑性を兼ね備えています。

これにより、成形後の反りや寸法ばらつきを抑制し、歩留まりが大幅に改善。摩耗に強く滑らかな動作が長期的に持続するため、製品の信頼性が飛躍的に向上し、設計の自由度も高まりました。

Point

1.高寸法安定性と薄肉強度:薄肉形状でも強度・寸法精度を保持し、精密機構の信頼性を確保。

2.耐熱/耐久性+自己潤滑性:繰り返し使用による摩耗や劣化を抑え、滑らかな動作を維持。

3.難燃性(V‑0)対応:建材用途としての安全規格にも合致し、安心性と設計自由度を両立。

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