課題解決事例

流動解析とGF強化樹脂による「ファン用放熱カバー」の軽量化と品質安定

Before

計測機器に使用されるファン用放熱カバーにおいて、金属製では重量と熱管理が、汎用樹脂製では耐熱性や耐候性が課題でした。特に、高温環境下での変形やひび割れが信頼性を損なう原因となっていました。

また、製品は細かい格子を持つ複雑形状のため、成形時に樹脂が末端まで行き渡らない「ショート」や成形ムラが起こりやすく、歩留まりの低さが問題でした。さらに、難燃性が備わっていない点も、過酷な環境下での安全性を確保する上で大きな懸念となっていました。

After

ガラス繊維強化(GF)による高強度・高剛性と、優れた耐熱性・難燃性(UL94 V-0)を兼ね備える軽量な樹脂材料への変更をご提案いたしました。

さらに、複雑な格子形状でも均一に樹脂を充填するため、事前に流動解析を実施し、最適なゲート設計を導入しました。

これにより、懸念されたショートや成形ムラといった不良を解消し、歩留まりが大幅に向上。金属並みの強度と高い安全性を確保しながら、製品の軽量化と品質の安定を両立させることに成功しました。

Point

1.高強度・軽量化を両立:ガラス繊維強化により金属並みの強度を維持しつつ軽量を実現。

2.耐熱・難燃性能:過酷な熱環境でも動作安定性を確保し、安全性も向上(V‑0相当)。

3.高精度成形への対応:複雑格子形状でも流動解析による最適ゲート配置で欠陥を防止し、品質と歩留まりを改善。

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