特殊ポリアミド樹脂の採用による「農薬散布ノズル」の可視性と耐久性の両立
Before
農業用の薬剤散布ノズル部品には、内部の薬液を目視できる透明性と、薬剤に侵されない耐薬品性の両立が求められていました。
しかし、従来は耐薬品性の高い樹脂を選ぶと透明性がなくなり、逆に透明な樹脂を選ぶと薬剤で劣化してしまうという二律背反の課題がありました。
また、ネジ部に金属部品を埋め込む(インサート成形)際に、素材間の熱膨張差や接着剤の劣化による液漏れが頻発し、品質の維持と歩留まりの向上が困難でした。
After
                        優れた耐薬品性を持ちながら、スモークカラーで適度な透明性も確保できる特殊な非結晶性ポリアミド樹脂(グリルアミド)の採用をご提案しました。
これにより、利用者は薬液の流れや詰まり具合を目で見て確認できるようになり、メンテナンス性が大幅に向上しました。
また、金属インサートの接合には、素材の成形温度に適した特殊な接着剤で事前処理を施すことで、懸念された液漏れ問題を根本的に解決し、量産時の高い信頼性と歩留まりを両立させることに成功しました。
Point
1.耐薬品性 × 適度な透明性:薬剤の状態確認ができ、清掃性や安全性を向上。
2.材料適性とインサート接合信頼性:使用条件に合う接着技術でリークを防ぎ、耐久性と量産性に貢献。
3.透明性と耐久性のバランス:汚れの視認性を維持しつつ、過酷な薬液環境にも耐える素材選定。