課題解決事例

「医療用電磁弁部品」の材質変更(PSU→PES)による耐薬品性の向上

Before

本事例の「医療用電磁弁部品」は従来、PSUを素材として使用しており、耐薬品性の要求に十分対応できていませんでした。

また、方向制御弁として中央にあるシール面では、ウエルドが原因でリークのリスクが高まる課題がありました。この課題を解決するための金型設計や工程には改善の余地が残されており、形状の複雑さに起因する生産効率の低下が見られました。

さらに、熱カシメ工程での残留応力がクラックを誘発することがあり、異物混入に対する管理も十分ではありませんでした。

After

お客様の耐薬品性向上の要望に応え、素材をPSUからPESに変更する提案を行い、信頼性の向上を実現しました。

方向制御弁として重要なシール面では、金型設計を改良し、エアー排出を最適化することでウエルドを抑制。流動解析を活用して、形状の複雑さを克服しました。

また、熱カシメによる残留応力をアニール処理で除去することで、耐久性を向上。

さらに、成形前の設備分解清掃や成形時の温度管理を徹底し、異物混入を防止することで品質基準を大幅に向上させています。

Point

1.課題解決への素材変更:PSUからPESに変更し、耐薬品性を向上。

2.ウエルド対策と精密設計:金型設計と流動解析でリークリスクを解消。

3.応力除去と異物管理の強化:アニール処理でクラック防止、分解清掃と温度管理で高品質を維持。

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