課題解決事例

難燃性PBTの採用と精密金型技術による「ハードディスク内臓 絶縁ブッシュ」の安定量産化

Before

高密度電子機器の内部では、ショートや漏電を防ぐための高い絶縁性が不可欠でした。金属は導電性が高く絶縁用途に適さず、汎用樹脂では難燃性が不十分で安全性の担保に不安がありました。

また、肉厚0.2mm、穴径1mmといった薄肉・微細形状の製品だったため、従来の加工方法では寸法ズレや破損が多発し、不良率の高さと生産の不安定さが、月産数百万個という大量生産の大きな障壁となっていました。

After

高い難燃性(UL94 V-0)と機械的強度、そして吸湿性が低く寸法安定性に優れた「難燃性PBT」への材質変更をご提案いたしました。材質の特性を活かすため、8個取りの精密金型を設計し、射出条件を最適化することで、微細形状でも高い再現性と歩留まりを実現しました。

これにより、機器内部の安全性と部品の信頼性を確保しながら、月産数百万個レベルの大量生産体制とコスト低減を両立させることに成功しました。

Point

1.薄肉高精度成形性:約0.2mmの薄さと1mmの穴径を高精度で安定量産できる。

2.耐衝撃性&難燃性:機器内部の衝撃・熱環境でも部品が破損せず、安全性を維持。

3.大量生産と歩留まりの両立:精密金型設計により細かなバリや金型破損を抑え、信頼性高く低コストに製造可能。

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