PEEK(CF30)の採用による「半導体装置用レチクルパッド」の高剛性化と寸法安定性向上
Before
半導体製造装置に用いられる全長160mmの長尺なレチクルパッドにおいて、金属からの樹脂化が求められていました。しかし、従来の汎用プラスチックでは耐摩耗性が不足しており、パッドの摩耗が装置全体の精度低下を招く懸念がありました。
また、長尺形状のため成形時に反りが生じやすく、後工程での矯正作業が必要となるなど、歩留まりの低下やコスト増が課題でした。
さらに、装置内部での使用に不可欠な難燃性やクリーン性(低発塵性)の確保も困難でした。
After

炭素繊維を30%配合したPEEK(CF30)への材質変更をご提案しました。これにより、炭素繊維強化による極めて高い剛性とPEEK本来の優れた耐摩耗性により、長期使用でも摩耗や変形を最小限に抑制しています。
懸念された長尺部品の反りも成形段階で解消し、後工程不要で高い寸法精度を実現しました。
さらに、難燃性(UL94 V-0)やクリーン性にも優れるため、半導体製造装置に求められる高い信頼性と安全性を確保することに成功しました。
Point
1.高強度・高耐摩耗性:長期使用における摩耗・損耗を抑え、装置の精度と信頼性を維持。
2.優れた寸法安定性(反り抑制):成形工程での形状変化を最小限にして、後工程の手間や不良を低減。
3.難燃性+軽量性:装置の安全性を確保しつつ、軽量化により取り扱いや装置負荷を改善。