「船舶用ポンプのストレーナー部品」の樹脂化
Before
本事例の「船舶用ポンプのストレーナー部品」は、従来金属製でした。しかし、金属製品は錆の発生が避けられず、長期間の使用で耐久性が低下するという課題がありました。
また、重量があるため、取り扱いや運用時の負担が大きいことも問題視されていました。特に、先端部分にあるオスネジの形状が2種類存在する仕様は、生産効率を下げる要因となっていました。
After
金属製ストレーナー部品を樹脂製に置き換えることで、錆の問題を解消し、耐久性と長寿命化を実現しました。軽量化によって取り扱いが容易になるだけでなく、運用効率の向上にも貢献しています。本体と蓋をそれぞれ別々に成形し、樹脂ならではの設計自由度を活かしながら、金属と同等の機能性を確保しました。
さらに、ロット数が100個程度と少量であることや、先端部分のオスネジに2種類の仕様があるという特殊要件に対応するため、置き駒とインサート成形を組み合わせた柔軟な設計を採用しました。これにより、効率的かつコストを抑えた生産体制を構築しています。
製品内部には貫通穴を加工し、最終工程ではパッキンの組み付けとリーク検査を実施。厳格な品質管理のもと、漏れのない高精度な製品を安定して提供できる体制を整えています。
Point
1.金属から樹脂への置き換え:錆防止や耐久性向上を目的に金属製品を樹脂化。軽量化により取り扱いや運用性も改善。
2.少量生産への対応:ロット数100個程度の仕様に対し、置き駒やインサート成形を活用し、生産効率を確保。
3.信頼性を追求した加工と検査:貫通穴の加工、パッキンの組み付け、リーク検査を経て、漏れのない高品質製品を実現。