「水中ポンプ用オイルケーシング」の設計変更によるクラックの防止
Before
本事例の「水中ポンプ用オイルケーシング」は従来、他社で成形されていましたが、使用中にクラックが発生していました。この問題は、シール面の幾何公差が非常に厳しい仕様や、成形過程で充填が不均衡になることが原因と考えられました。
また、水中ポンプの負荷により、取り付け部のウエルド開きが大きくなることで、さらなるクラックのリスクがありました。
After
クラックの発生を防ぐために、製品の成形プロセス全体を見直しました。具体的には、シール面の高い精度を確保するため、センターからディスクゲート方式を採用し、成形時の充填を均一にすることで不均衡を解消しました。
また、水中ポンプからの高負荷に耐えられるよう、取り付け部の設計にも改良を加えました。具体的には、成形時にピンにベントを設置し、ウエルド開きを最小限に抑えることで、耐久性を大幅に向上させました。このような改良により、高い品質と信頼性を持つオイルケーシングを提供することが可能となりました。
Point
1.均一な充填と高精度なシール面の実現:ディスクゲートを用いた成形技術で幾何公差に対応。クラックの原因を根本から解消。
2.ウエルド抑制によるクラック防止:取り付け部のピンにベントを配置し、負荷に強い設計を実現。
3.全体的な製品信頼性の向上:精密設計と成形技術の組み合わせで、水中ポンプ用オイルケーシングの長寿命化を達成。