「消火器の蓋部品」の樹脂化
Before
本事例の「消火器の蓋部品」は従来、金属で製造されており、強度と耐久性を重視した設計がなされていました。
しかし、金属特有の重量の問題が課題とされており、軽量化を求める声が高まっていました。また、中国での試作段階で金属から樹脂への置き換えを試みましたが、量産化の際に破損リスクが高まる箇所が発生し、品質の確保が困難となっていました。
さらに、蓋部品は3つのパーツで構成されており、組立工数が多く、生産効率の向上も課題となっていました。
After
射出成形が可能な高強度の樹脂を使用することを提案し、耐久性と軽量化を両立しました。
試作段階で課題となっていた破損リスクについては、形状変更による再設計を実施。これにより、量産時の品質安定性を確保し、無事に量産化に成功しました。
さらに、樹脂化を進める過程で従来3部品で構成されていた蓋を1部品に統合。部品点数を削減することで、組立工数を大幅に削減し、生産効率を向上させています。これにより、軽量化とコストダウン、さらに生産効率の向上を同時に実現しています。
Point
1.金属から樹脂への転換:金属製蓋部品を高強度の樹脂へ置き換え、軽量化と耐久性の両立を達成。
2.形状変更による量産対応:破損リスクを克服するため、形状を再設計し、品質安定性を確保した上での量産化を実現。
3.部品統合による生産効率の向上:従来3部品だった構成を1部品に統合し、組立工数を削減。軽量化だけでなく、効率的な生産プロセスを構築。