医療用 電磁弁部品

こちらは、医療用の電磁弁部品です。

従来、PSUを使用して成形していましたが、お客様から耐薬品性を高めることはできないか、というご相談をいただいたため、PESに素材変更を提案し、お客様のニーズに応えました。

本製品は方向制御弁として機能し、中央に流路をふさぐ小径のシール面があります。この部分で一定以上のウエルドが残ると、リークが発生する可能性があるため、シール面から十分にエアー排出ができるように金型設計を工夫しました。また、形状が非常に複雑なため、流動解析を実施し、最適なゲート配置を確保しています。

また、後工程でビットの熱カシメを行うため、通常よりも残留応力が大きくなります。これに対して、アニール工程を通じて応力を除去し、クラックが発生しないように細心の注意を払っているだけでなく、異物管理が非常に重要な製品であるため、徹底した異物対策を実施しています。具体的には、成形前に加熱筒とシリンダーを分解清掃し、成形時に十分な温度管理を行うことで、異物混入を防ぎ、製品の品質を確保しています。