射出成形

HOME > 射出成形 > 材料

材料

材料(樹脂特性と選定の基本)

本ページは、当社サイトの射出成形技術解説コンテンツのうち、「材料」に関する記事をまとめたカテゴリページです。

樹脂材料の選定は、射出成形品の性能・寿命を決定づける最も重要な要素です。本カテゴリでは、汎用樹脂からエンプラ、スーパーエンプラまで幅広い材料の特徴と選定ポイントを体系的に整理し、用途や条件に応じた最適な材料選定を支援します。

1. 材料特性を理解する重要性

材料データシートに記載される値は“素材そのもの”の特性であり、実際の成形品で発揮される性能とは異なります。吸水性、耐薬品性、成形収縮、結晶化度、耐熱性、耐摩耗性など、部品としての性能を左右する要因を総合的に理解することが重要です。本カテゴリでは、材料特性と設計・成形挙動を関連づけて理解しやすい構成としています。

2. 樹脂の種類と用途別の特徴

樹脂材料は構造や特性によって大きく分類されます。

汎用プラスチック

ABS、PP、PS、PVC、PMMAなど。コストバランスや外観性に優れ、多用途で使用。

エンプラ

PBT、PA6、PA66、POM、PC、変性PPE、MXD6など。強度・耐熱・寸法安定性が求められる機能部品に適用。

スーパーエンプラ

サルフォン系スーパーエンプラ(PSU・PES・PPSU)、PEI、PPS、LCP、PEEKなど。特性に応じて高度な用途に使用されます。

本カテゴリでは、これらの材料の比較や置換判断、部品課題から逆算した材料選定の視点を提供します。

3. 材料選定で注意すべき実務ポイント

単純なカタログ比較では材料を選定できません。同じ樹脂でもグレードにより特性が大きく異なり、強化材・難燃剤・添加剤が成形性や機械特性へ影響を与えます。

  • ガラス繊維強化グレード → 剛性向上と引き換えに反り・表面粗さが増大
  • 難燃グレード → 添加剤により機械特性が低下
  • 半結晶性樹脂 → 結晶化度が寸法安定性や耐薬品性に直結
  • 非結晶性樹脂 → 応力割れ・クリープへの注意が必要

こうした特徴を理解し、用途条件に応じた材料選定を行うための実務的知見をまとめています。

4. 当社の専門性とコラム監修体制

当社には、日系・外資系の樹脂メーカーで24年間、国内外での実務経験を持つ代表をはじめ、材料科学と成形技術に精通した技術者が在籍しています。多数の樹脂メーカーと強力な人的ネットワークを有し、用途開発や実験データ取得などで協働できることが他社にはない強みです。一部のコラムは樹脂メーカーで監修しており、信頼性の高い技術情報を提供できる体制を整えています。

5. 本カテゴリで扱う主なテーマ

材料選定の基礎に加え、以下のような多様なテーマを扱います。

  • 樹脂の各種物性、樹脂間の比較
  • 耐薬品性・耐熱性・透明性の評価
  • 摺動性や摩耗に強い材料の選び方
  • 結晶性/非結晶性の設計への影響
  • 材料置換・金属代替の具体的な判断軸
  • 成形不良との相関(反り・ガス・割れなど)

用途や課題に応じて最適な材料を選ぶための“実務的な判断基準”を体系化しています。

6. 関連カテゴリへの導線

材料は成形不良、金型設計、信頼性、物性評価、部品機構と密接に関係します。本カテゴリから関連コラムへアクセスすることで、材料起点で課題を総合的に理解できます。

樹脂材料は射出成形品の性能を決定する出発点です。本カテゴリでは、材料特性・設計・成形の視点を統合し、最適な材料選定のための基盤知識を体系的に提供します。

本カテゴリに関連する詳しい技術解説は、以下のコラムをご覧ください。